建退共は必ず入らなければならないの?
こんにちは。
行政書士の福元@鹿児島です。
建設業で働く方々のための
退職金の制度が
建設業退職金共済,
通称:建退共です。
建設業を営む事業者が加入し,
自社が施工した現場で労働した
従業員の手帳に1日あたり
1枚の証紙を貼付します。
従業員は建設業を退職する際に,
それまで取得した証紙の枚数に
応じた退職金が受け取れる,
というのが主な仕組みです。
ときどき,お客様から
「建退共は必ず入らないと
いけないの?」
というご質問を受けることが
あります。
答えは「ノー」です。
法人で事業をするとなりますと,
社会保険(健康保険及び厚生年金)は
強制加入で,人を雇うとなると
労働保険(労災保険及び雇用保険)も
必須です。
これは格別の法律で定められており,
かつ,建設業法では社保,雇用保険の
加入は許可の要件としての定めも
あります。
一方,退職金の制度は,福利厚生の
向上という明確なメリットはありますが,
事業を行う上で必ず設置しなければ
ならないといったような定めは
ありません。
ただ,建設業を営む方々(特に
公共工事に絡むお仕事が多い方)
にとっては以下の点に注意が
必要です。
・建退共の加入が経営事項審査の
評価対象となっている
(総合評定値(P点)で21点と
かなり大きな違いが出ます)。
・公共工事を元請で受注した際,
発注元から建退共証紙の必要分を
問われるなど,加入を前提とした
事務が行われる。
先の質問をいただくことがあるのは
こうしたことからだと推測します。
退職金制度に関するご質問に対する
答えとしてまとめますと,以下のように
なります。
・義務ではないが,優秀な技術者の
確保が難しい昨今,福利厚生の充実
(職員満足度の向上や採用強化など)
は大切なテーマであり,何らかの
退職金制度を持つことをお勧めします。
・元請,下請含め,公共工事に絡むことが
ある場合は建退共の利用が最適です。
(経営事項審査を受ける場合は
点数への効果も含めて)
なお,建退共の証紙は現在,指定の
金融機関で1枚=310円で
購入できますが,320円への
引き上げが決定しています。
事務面での電子化導入も
進められており,手続きの変更や
改正についてのアナウンスが
今後,随時行われる模様です。
加入している事業所様に
おかれましてはご留意願います。
また機会がありましたら
この場などでも情報をご提供して
まいります。
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