一括下請負が禁止される理由は?
こんにちは。
行政書士の福元@鹿児島です。
元請→一次下請→二次下請など,
多層で構成されるのが建設業の
請負契約です。
このとき,請けた工事を下請に
一括して請け負わせる,いわゆる
「丸投げ」と言われる契約は
禁止されています。
その主な理由は以下のとおりです。
(文中,”A”は工事に実質的に関与せず,
下請業者に一括で発注している業者,
”B”はそれを請けて実際に施工している
業者を指します)
1.責任の所在があいまいになる。
注文者はAという業者を信頼し,
取引をしているのに,その現場では
Aが「まったく」関与しておらず,
Bという別の業者が施工をしている。
このような状態では,現場の安全管理や
目的物の品質に対して誰が責任を
持つのかが不明瞭になってしまう。
2.注文者の負担が増える。また,
実際に担務した業者に「適正な」
代金が渡らない。
注文者が支払った代金には,施工に
関わらないAという業者へ支払う
金額も含まれているということに
なると適正な工事価格とは言い難い。
また,実際に施工している業者Bに
支払われる金額についても同じことが
言える。
国土交通省から平成28年に
出された通知により,
一括下請負の判断基準が示され,
改めて禁止事項であることが
うたわれています。
現場の施工体制に工夫を
重ねる中で,判断に迷う場面では
行政や専門家に意見を求めるなど
して慎重に判断すべき事柄で
あると思います。
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